肌の露出がタブーだった時代に日本初の
ヌードポスターを引き受けた女性のその後…
日本初のヌードポスターを引き受けた女性
2014年に放送された人気ドラマ「マッサン」で
ある1枚のポスターが注目されることになりました。
https://twitter.com/Kato_Alljoker/status/628174238218752002
引用:https://twitter.com/Kato_Alljoker/status/628174238218752002
それがこちらのワイングラスを片手に肌を露出させた女性が写っているポスター。
この女性は女優やグラビアとして活躍する柳ゆり菜さんという方なのですが、
このポスターには問い合わせが殺到したとのこと。
そして、これはあるポスターを真似て作られているということで
その元となったポスターも注目されることに。
こちらが元になった『赤玉ポートワイン』の宣伝ポスター。
1922年に制作されたものですが、今でも昔ながらの雰囲気が漂う
居酒屋さんなどでは見かけることがあります。
実はこのポスターは日本初のヌードポスターで今の時代に見ても騒がれることもないのですが、
このポスターが制作された当時は女性が人前で肌を露出することに対して
病的に敏感で絶対的にタブーな時代。
このポスターのモデルとなった新劇の女優・松島栄美子さんには
波乱の人生が待ち受けていたのです。
警察からの取り調べ、親からは勘当
ポスターを手がけたのはサントリーホールディングスの前身である「寿(ことぶきや)屋」。
ポスターで女性が持つ『赤玉ポートワイン』は
当時米が一升10銭の時代に赤玉は1瓶38銭と大変高価なものでした。
そんな背景もあり、いいものを作っても知ってもらわないと売れないということで
当時では衝撃だった女性が肌を露出したポスターが制作されたのです。
ポスター制作を託されたのは当時広告界の鬼才と言われた片岡敏郎さんという人物。
ユニークなアイデアを出すことで有名でこの赤玉ポートワインを売るために「赤玉楽劇座」という劇団まで結成。
そして、劇団のプリマ・ドンナを務めていた松島栄美子さんがポスターモデルに起用されたのです。
このポスターの反響は凄まじく、赤玉は驚異的な売上を記録。
海外からも高い評価を受け、ドイツの世界ポスター品評会では1位を獲得したそうです。
そんな華々しい評価の一方でモデルとなった松島さんの
世間からのバッシングも凄まじいものでした。
当時は女性が人前で肌を見せるのは禁忌なことで警察からは風紀紊乱に当たると取り調べを受けるまでに。
そして、親戚中からは「若い子がやることではない」と批判され、
家族からは勘当されてしまったそうです。
作品が評価される一方でそのモデルの人生は狂わされてしまったという事実。
しかし、晩年は息子やお孫さんに囲まれ幸せで静かな人生を送られていたそうです。
今はグラビアなどでヌードを見せることへの抵抗がなくなってきている時代。
少し時代が違うだけでこんなにも周りの見方や扱いが変わるのかと
考えさせられる出来事ですね。