生きることが困難な双子の少女…
遠い異国の地に住む男性がもたらした奇跡が話題に…
生きることが困難な双子の少女
アメリカ・ミネソタ州に暮らす双子の女の子エリザベスちゃんとキャサリンちゃん。
とても可愛らしい笑顔が印象的な二人ですが、
実はこの9歳の誕生日を迎えられたのは奇跡と呼べるような出来事が
いくつも重なったからなのだそうです。
2人は生まれつき血液中に含まれる白血球や血小板などを作ることができない
「先天性無巨核球性血小板減少症」という病気を持っていました。
日本では100万人中5人前後しか発症例がないほどとても珍しい難病。
白血球や血小板が不足するためちょっとした怪我による内出血や切り傷でも血が止まらず、
出血多量で死に至る危険性もあります。
そのため外で遊ぶことも体を動かすことも許されないという日々を送っていたそうです。
遠い異国の地に住む男性がもたらした奇跡
この2人に残された道はただ一つ、「骨髄移植」をすること。
しかし、骨髄を移植するにはドナーと患者の白血球型が適合しなければなりません。
この適合率というのが非常に低く、
兄弟ですら4分の1ほどの確率でしか一致しません。
それ以外ではなんと数万人に1人しか適合する人がいないと言われているほど
適合するドナーにめぐり合うことは難しいと言われています。
エリザベスちゃんとキャサリンちゃんの二人も白血球型が一致する人を見つけることができず、
「国際骨髄バンク」に患者登録することになったのだそうです。
3ヶ月後、奇跡的にドナーに巡り合う
「国際骨髄バンク」への登録してから、約3ヶ月。
数万分の1という確率から奇跡的にドナーと巡り合うことができたのです。
登録患者の3分の1は適合ドナーに巡り合えず治療を受けられないまま亡くなっていきます。
たった3ヶ月でドナーに巡り合えた2人はとてもラッキーだったのでしょう。
しかも、二人のドナーとして見つかったのはドイツ・ミュンスターに住む男性。
数年前に「誰かの役に立ちたい」とたまたまドナー登録をしていたのだそうです。
実は、白血球型の遺伝にはある法則があることがわかっており、
赤の他人の白血球型が一致することは大昔に兄弟だった人たちの子孫同士が
巡り巡って同じ型に生まれついたものと考えられています。
今回のケースはアメリカとドイツに住む双子と男性の遠い遠い先祖が兄弟関係であったため、
白血球型が奇跡的に一致したものと考えられるそうです。
そんな男性がたまたまドナー登録をしてくれていたという、
偶然に偶然が重なったこれぞ奇跡。
この男性からの骨髄提供を受け、
エリザベスは3歳、キャサリンは4歳の時に無事移植手術に成功。
今では少し体力は劣るもの周りの子供達と同じように学校に通ったり、
体を動かしたりということができるようになったのだそうです。
そして、骨髄バンク関係者の計らいでドナーとなった男性と
パーティーで初めて顔を会わせることのできた2人。
お互いに英語とドイツ語しか話せないため、会話はほとんどできないものの
3人で手をつなぎ、パーティーが終わるまで踊り続けていたそうです。
運良く希望してからすぐにドナーにめぐり合うことができた二人。
しかし、適合するドナーに巡り合えず、
治療を受けられないまま死に至る患者が世界中に大勢いるのが現実です。
日本でも年間1500人もの患者たちが骨髄提供を待つ間に命を落としてしまっているとのこと。
二人のドナーとなった男性の住むドイツでは国民の約5%が骨髄バンクへドナー登録をしているのに対し、
アメリカでは2.2%、日本に至っては0.3%に留まります。
医療先進国として、世界屈指の医療設備や技術を兼ね備える日本。
移植だけは医療関係者だけでなく、
我々国民の協力無しには行う事ができないのです。
先進国の中でも著しく低いドナー登録者数について、
考えていかなければならないようにも思います。