飛行機の主翼の先端が垂直に立っている理由…
意外と知らないと話題に…
飛行機の主翼の先端が垂直に立っている理由
飛行機は主翼の先端が水平ではなく小さく上に折れ曲がっているのはご存知ですか?
これにはもちろん大きな理由があります。
今回は飛行機の主翼の先端が垂直に立っている理由を紹介します。
1.気流の拡散
これはウイングレット(主翼端翼)といって主に長距離を就航する旅客機で採用されています。
ボーイング747-400などでは主翼の先が鋭角に曲げられた形をしています。
また、737-800では747-40のものよりも主翼からなだらかな曲線を描く
ブレンデッドウイングレットというより開発されたものが採用されています。
主翼の上側は下方に比べ、
気圧が低くなっていてこれが揚力になって機体を上昇させています。
主翼の先端に近づくにつれ、
気圧の高い翼の下方から上部へ気流の渦が発生し、
これを翼端渦と言います。
翼端渦は空気抵抗となって機体が前進する力を低下させる原因となっているのです。
そのため、翼端渦の気流を拡散し、
さらにはその力を前進するための力に変えてしまうのがウイングレットです。
2.燃費消費の節約
空気抵抗を抑える働きがあることで燃費消費を節約する役割も担っています。
主翼の先端を立てただけで1機あたり年間30万リットルもの燃料が節約できると言います。
例えばバンクーバーから成田まで約45トンの燃料を消費するとして
ウイングレット装着機だと5%分の約2.25トンの消費燃料が少ないことになり、
ドラム缶に換算すれば約15本分に相当する量だそうです。
もちろん、飛行距離などにより効果の程は変わるため一概には言えませんが
もし全ての飛行機で同様に燃料消費量を削減できるとしたら
その量が膨大なものになることは明らかです。
ウイングレットはボーイング767-300ERの場合、
あの翼端のパーツ部分だけで左右合わせ1500kgもあり、
それだけ重さが増えたのにも関わらず燃費が向上しているというのが凄いところです。
航空機にしろ車にしろおよそ重量は
軽ければ軽い方が基本的に燃費も良くなるということに変わりはありません。
にも関わらず5%もの燃費が改善できるのです。
3.揚力を発生させる役割
航空機の機体はとても重いもの。
これが空を飛んでいるのですから機体には相当のG(重力)がかかります。
それを支えているのが主翼。
主翼には高度を保つための揚力を発生させる役割があります。
下がろうとする機体と空へ上がろうとする主翼。
飛行機の本体には相反する力が働きます。
この2つの力をうまく共存させるために主翼は強度はありながら柔軟性に富み、
しなりながら重力を分散させるように設計されているのです。
この動きは気流の悪いエアポケットに入ると顕著になり、
まるで鳥のように羽ばたくように主翼が上下することがあるのです。
今度、飛行機の窓から主翼が見える場所に座る機会があればフライト中に主翼を観察してみると面白いかもしれません。
時折、主翼が鳥の翼のように羽ばたいている姿が見られるかもしれません。
ネットでの反応
・ガンダムのコアファイターを真っ先に想像してしまいましたが、
あの翼形状は理にかなっていたのですね。おもしろい・流体力学的には流体の粘性が上がるんよ。あと渦の軽減もできる。
・737にはこれついてた方がかっこいいよね
・「アラレちゃん(Drスランプ)の真似」かと
多くの人は思っていたと思うが、
アラレちゃんは先端科学を走っていたんだね。