発達障害は診断が難しく、人権の問題もあるため、
発達障害を持つ人の数は正確にはわかっていません。

しかし、実際は児童の約10%が
発達障害を抱えているのではと言われています。

今回は自分の発達障害について書いた小学生の作文を紹介します。


発達障害とは

発達障害とはASD(自閉症スペクトラム・アスペルガー症候群)、
ADHD(注意欠如多動性障害)、そしてLD(学習障害)の大きく3つに分けられます。
いずれも脳機能に関係する障害・特性です。

発達障害の早期発見により、早い時期から専門的な療育を受け、
周囲が適切な支援をすることはその子の発育に良い影響を与え、
とても重要なことだとされています。

早期発見によりその子供の心が
健全に育っていくことの助けになります。

みんなが出来る事でも発達障害の場合、
なかなかできないこともあります。

そのような場面で適切な対応や支援がなければ、
その子の自信を失うことにつながり、ストレスを溜める原因になってしまいます。

今の時代は隠すことなく
その子供に合った教育・生活指導・関わりが大切です。

そんな発達障害ですが、
理解不足から障害だと気づかない場合も多く、
そのことで周囲に誤解されたり、悩み苦しむ事が多いそうです。

そんな中、勇気を出して自分の発達障害を作文で紹介した小学生がいました。

平成21年度人権作品コンクール小学校作文の部で
最優秀賞に輝いた国府小学校6年の河上光くんの作文です。

ぼくの人生こんぺいとう

僕には「発達障害」というものがあります。

障害ではあって病気ではありません。

これは生まれた時からある物なのです。

ちなみにぼくの障害名は
「ADHD(注意欠陥多動性障害)」と「高機能自閉症」です。

他にも発達障害の内には「LD(学習障害)」や「アスペルガー症候群(略してアスペ)」さらに「自閉症」などあります。

僕に障害があるとわかったのは2歳9ヶ月の頃です。

しゃべり始めが遅く不思議なことばを言っていたらしいし、走り出したら止まらないので障害にくわしいお医者さんにみてもらったようです。

そのとき「ADHD」としんだんされました。

不思議な言葉のことは「あ、宇宙語ですね」と言われたそうです。

一年生の時、「高機能自閉症」としんだんされました。

小学校に入ってからいじめが多くなりました。

からかわれている事もありました。

しかし、幼いころは遊んでくれているんだと思っていました。

でもそのうち、いやがらせだと分かりました。

「ガイジ」とも呼ばれました。

悲しかったです。

泣いて帰ることもありました。

そんな時お父さんは・・
「発達障害を持っていることは悪いことではない。悪いのはいじめることだ」

と言ってくれました。

確かにそれが分かった気がします。

発達障害にもいい所があると分かりました。

興味あることに集中やひらめいたり、熱中しています。

パズルやマンガ作りテレビ「IQサプリ」は大得意でした。

なんでも夢中になると周りの様子が分からなくなることが欠点ですが

これは作用の中に入れておきます。

僕がまだ小さい頃、何かに夢中で線路に座り込んでいたらしいです。

でも、ご近所の人がぼくを家まで送ってくれたらしいです。

3年生になった時、初めてぼくの障害名を聞きました。

テレビを見て、(発達障害の)「ぼくはどれ?」とお父さんに聞いたらしいです。

聞いた時は大したリアクションではありませんでした。

しかし、聞かれたお父さんはなんと言おうかとドキドキしていたらしいです。

友達と遊びたいけど、どんなふうに話しかければいいか、どう反応すればいいか分からないから

友だちとケンカになったり、友だちを泣かせてしまったり、そういうことをしたことがあったけど僕は友達がたくさんほしいです。

4年生の時、仲の良いクラスの友達とどうすれば友だちが増えるのか相談しました。

そして、みんなに手紙を書こうと決まりました。

夜まで書きました。

数日後、みんなに手紙をわたしました。

内容は・・・

「ぼくは、『ADHD』と『高機能自閉症』という発達障害を持っています・・・」

みんなの反応はというと内容を分かってくれて友だちになってくれた人もいたけど、逆に手紙を返したり、破っていたり、いじめがエスカレートしたり、いろいろでした。

これを聞いたお父さんは「お前は勇気がある」と言ってくれました。

お父さんは発達障害のある子どものことを「こんぺいとうキッズ」と呼んだりしています。

色も形も色々でいいところ、苦手なところのでこぼこがいっぱいあるけど、そこがまたみりょく的だからこんぺいとうなのです。

ぼくは聞いただけで何をするかは苦手ですが、目で見て何かをするのとパズルや迷路は大得意です。

忘れっぽいですが思い立ったらすぐに始める行動力があります。

運動は苦手ですがちょうせんする心はあります。

発達障害のない人たちへ

発達障害の人に「かわいそう」や「かわっている」など言わないで下さい。

その人が悲しんでしまいます。

発達障害がある人たちへ

あなたのところでいじめはありますか?

いじめは自分のせいと思っていませんか?

決してそうではありません。

からかう方が悪いのです。

まだみんなに発達障害だと伝えていないのなら朝か帰りにみんなに告白しよう!

きっと友だちが増えるかもしれないよ。

自殺なんかするよりも今、自分のいいことを探してみよう。

時間という物は味方、そして発達障害は天からのプレゼントだ!

プレゼントだからいい物に決まっているじゃないか!

この作文を光くん本人に読んでもらった動画

引用:https://www.youtube.com/watch?v=sdSnj7G3Kew

我が子に自己肯定感を持たせた
ご両親も心から素晴らしいと思います。

カミングアウトすることは、とても勇気が要ることですが、
カミングアウトしたからこそ初めて寄り添ってくれる人が現れるのも事実です。

もう少し発達障害について理解してくれる人が増えることを切に願います。

ネットでの反応

・いじめる側がすべて悪いのかは分かりませんが、
みんな一生懸命に生きているのですね
一言一言を発音よく話している声に心が熱くなりました

・障害者ではなく、一人の人間として支え合える社会にしたいですね。

・障害の有無に関わらず、みんなが共生、共存し、
それが当たり前の世の中になってほしいです。

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