心臓が停止した後、脳内で何が起こるのか…
心肺停止後の脳活動が話題に…
死んだら何が起こるのか。
それは人間が太古の昔から持ち続けてきた疑問です。
天国や地獄にいくのか輪廻転成を繰り返すのか、
それはまだ誰にもわかりません。
しかし、ニューヨーク大学の研究によって、
死後に関する謎が少し明らかになってきています。
死亡宣告をされた患者たちの脳の活動を研究
病院で死亡宣告をされた患者たちの脳の活動についての研究が行われました。
心臓が停止すると全身の器官に流れる血流が止まり、
生命維持に重要な役割を持つ脳幹への血液供給が途絶えると、
まばたき咽頭反射(喉の奥を触るとおえっと吐きそうになる反応)をしなくなります。
つまり脳幹への血流が途絶えると体は反射反応をしなくなります。
それでも、脳の「思考する部分」は
もう少し長く機能していると考えられてきました。
数秒から数時間かけて脳の思考する部分も
ゆっくりと機能を停止していくのです。
この仮説を実証しようとニューヨーク大学の研究者たちは
4年間にわたって心拍停止から生還した患者たち140名にインタビューを実施。
研究結果は専門家たちの予想を超えたものでした…。
心肺停止後の脳活動
インタビューに答えた患者たちの約半数が
心拍停止後に何を考えたか何を感じたかを覚えていたのです。
恐怖、明るい光を感じる、暴力や迫害の記憶を思い出す、
デジャブをみる、家族のことを思ったなどが共通するテーマでした。
そして心拍停止後に起こったことを覚えていた人もいました。
「心拍停止後に聞こえてきた医師や
看護師の会話を再現する患者もいました。
それは実際に聞いていなければ知り得ない内容でした」
研究主任のサム・パルニア博士は説明します。
さらに、予想外の調査結果として臨死体験は患者たちの
その後の人生にポジティブな影響を与えていることもわかりました。
「困っている人がいる時、自分の利益を顧みず
手を差し伸べるようになる傾向がある」
とパルニア博士は言います。
この研究は人間の脳がいかに複雑な働きをする器官であるかということを
改めて証明するものとなりました。
心拍が停止したあと脳で起こることが明らかになった今、
脳も機能を停止したら人には一体何が起こるのか、
そんな究極の疑問が解明される日も近いのかもしれませんね。