戦地で出会った一匹の犬…
任務を終え帰国する兵士が下した処刑覚悟の決断に奇跡が…


戦地で出会った一匹の犬


アメリカ軍の海兵隊員だったクレイグさんは
アフガニスタンのヘルマンド州サンギン地区へ
派遣されることになりました。

その地では日夜アメリカ軍と
イスラム武装勢力・タリバンとの戦いが繰り広げられている激戦区です。

まさに死と隣り合わせの過酷な状況で
クレイグさんは一匹の犬と出会います。

誰かに飼われている様子もなく、
どこからか拾ってきた食べ物を食べていた犬。

この地では人間だけではなく、
動物までもが戦争によって居場所を奪われているのです。

どうしてもこの犬が気になったグレイグさん。

しかし、アメリカ軍には
兵士は犬に近寄ってはならないという規則があります。

これまで規則を破った事は一度たりともなかったクレイグさんですが、
この時初めてその規則を破ろうという意を決しました。

自身が持っていたビーフジャーキーを手に近寄ってみると
その犬はクレイグさんを見て尻尾を振り始めたのです。

死と隣り合わせの過酷な環境で
クレイグさんに尻尾を振り近づいてくる犬。

この瞬間、クレイグさんは
この犬を相棒として連れて行く決心をしました。

フレッドと名付けられたこの犬は
クレイグさんの後をついて回るようになりました。

クレイグさんが危険な場所へ任務に行く際にも
決して隣から離れようとしないフレッグ。

そして一度だってクレイグさんの仕事の邪魔をしないフレッグは
たちまち兵士たちの人気者になりました。

いつ命を落とすかわからない緊迫した精神状態の中で
フレッグの存在はみんなを癒すために必要なものとなったのです。

任務を終え帰国する兵士が下した処刑覚悟の決断

サンギン地区での任務を終えたクレイグさんは
祖国アメリカへ帰国することが決まりました。

一度本部基地へ戻らなくてはならない彼が気にかかったのは
やはりフレッグの存在です。

ここで一匹取り残されるフレッグの気持ちを思うとやるせなさも残りますが、
犬が禁止されている基地へ連れ帰るには大変な危険が待ち受けていたためです。

そこでクレイグさんはフレッグにこのように語りかけました。

「もし俺と一緒に来たいなら、
本当にお前がここから出て行きたいなら、それを示してくれ。

なぜならこれはすごく危険なことなんだ。

迎えのヘリコプターがやってきた時、
お前が俺についてきたら、それをお前の意思だと受け取るから。」

こうして基地に戻る日の朝を迎え、
迎えのヘリコプターがやってきたとき・・・。

フレッグはいつものようにクレイグさんの足元にいたのです。

ここで彼は覚悟を決め、
フレッグをダッフルバッグの中に入れると
そのヘリコプターに乗り込みました。

なんとかフレッグを基地の中に連れ込んだクレイグさん。

そこでフレッグの存在を知っている仲間たちからの助けを受け、
奇跡的にアメリカにわたることに成功しました。

この時の気持ちをクレイグさんはこのように語っています。

「もし犬を連れているところが見つかったら、
俺は刑務所行きだったかもしれない。
そしてフレッドは殺されただろう。」

やっとの思いでアメリカに帰国したクレイグさんは
その後海兵隊を除隊しました。

そして、フレッグと共にアメリカ各地を旅することにしたのです。

火薬のにおいが充満し煙に覆われた戦地から、
青く大きな空が広がるアメリカへとやってきたフレッド。

果てしなく広がる空はどこまでも自由で
まさにフレッグの心を表しているかのようです。

出会ったときは戦友で今は旅の相棒となった2人が
これからも穏やかな時間を過ごしてくれることを願わずにはいられません。

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