下水道で暮らすマンホール・チルドレン…
ルーマニア最大の闇が深すぎると話題に…



1989年に起きた共産主義独裁政権の崩壊により、
自由を手に入れたはずのルーマニアの人々ですが
その影で多大なる犠牲をこうむった当時の子供たちがいます。

ルーマニアの首都ブカレストには1万人以上のホームレスがいると言われています。
そのほとんどは旧共産主義時代の独裁者である
ニコラエ・チャウシェスクの政策の中で生まれてきた子供達です。

今回はそんな根が深いルーマニアの闇を紹介します。

下水道で暮らすマンホール・チルドレン

チャウシェスクは「国力とはすなわち人口なり」とし、
子供をたくさん産んだ者に奨学金を出し、人口を増加させる政策を実行しました。

ところが政権崩壊に伴い奨学金が出せなくなります。
こうした子供たちは親から充分に食べさせてもらえず、
家を飛び出す、あるいは捨てられて街頭で生活していくこととなりました。

行き場をなくした当時の子どもたちは大人となり、
更に子を育みながら、首都ブカレストに張り巡らされた下水道の中で暮らしています。

その為「マンホール・チルドレン」と呼ばれています。

下水道は、社会から不要とされる人間と麻薬患者の住む地下王国です。

ここでは住民が全員HIVポジティブであり、4分の1は結核患者でもあります。

その理由は栄養剤代わりに大人の血液を輸血され、
不十分な検査と注射器の使いまわしの結果、
大量のHIV感染者が続出したことが背景にあります。

暗闇の中に放置され、身を寄せ合って暖房用の配管で暖を取り、
体を温めるためにシンナーを吸います。

この地下都市を取り締まるのはブルース・リーという名の男です。
ストリート・ファイトでこの名で戦っていたことからそう呼ばれるようになっています。

父親であり、指導者であり、麻薬の売人であり、
皆に安全と無尽蔵のシンナーをもたらす男です。

この地下の世界への入り口は駅の前の分離帯にある歩道に開けられた穴だ。

この地下都市の住民の大半は20年前の共産主義の挫折により生まれたマンホール・チルドレンです。

地下都市に入る為にはブルース・リーの「招待」が必要です。

チャンネル4ニュースのスタッフ、パラク・オブライアン、ジム・ウィケンズと
ラドゥ・チョルニチュクはブルース・リーに許可をもらい、
地下都市に潜入することに成功しました。

ルーマニア最大の闇

全員、ブルース・リーに会うためにカウンターに並んでいます。

ブルース・リーは半裸で彼の腕と脚は分厚いチェーンと南京錠で覆われています。

これらは彼がオーロラックを1袋85円で売って得た利益で得たものです。

いたる所に電気の配線が敷かれ、ダンスミュージックが流れています。

ここでは犬も仲間であり家族です。
子犬の群れが走り回るには十分の部屋数があります。

ここに入ってまず感じるのは熱気。
次にシンナー臭。

オーロラックという名前の金属塗料を中毒患者が小さな黒い袋に入れて吸っています。

そして音楽。
地獄にクラブがあったらこんな感じなのかもしれません。

ブルース・リーは半裸で腕と脚は分厚いチェーンと南京錠で覆われ、
革のベストはキーリングやブローチや金属で飾られ、
腕や腹には入れ墨と自傷行為による切り傷がたくさん刻まれています。

彼の内太腿の入れ墨は「排水管の王、ブルース・リー」と彫られています。

オーロラックという金属塗料を1袋85円で売っています。
ほかに注射用のドラッグ(メタドンと同じ成分)も売っています。

ブルース・リーの地下の王国にはねじまがったオーダーが舞い込みます。
ソーシャル・ワーカーは彼が若い子を性的侵略者から守ろうとしていると言言います。

地元のギャングに守ってもらうためのお金は払っています。
また、ここでは薬物中毒者の致死率は地上より低い。
なぜならここは安全で暖かい場所だからです。

「俺がここに何をもたらしたかわかるか?」
とブルース・リーは言う。

「ここにいるほとんどの人間は孤児院の出身だ。
俺はやつらを組織しようとした。
俺たちが証明したいのは俺らは皆が思ってるような社会の屑でもないし、
ネズミでも囚人でもなんでもないってこと。

社会の体制が彼らの面倒を見ないから、彼らが俺のところに来て
食事と暖かさと保護者としてのアドバイスや理解を求めているんだ。
俺たちは家族だよ。ここでは家族でありたい。
そう、それが俺たちの本当の姿さ。」

無法の地下の世界を作ったのはルーマニアの政治家です。
そしてその犠牲者を救っているのは一人の犯罪者です。
いったい本当の悪は誰なのでしょうか・・・

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