地球から最も遠い距離に到達した探査機・ボイジャー1号…
宇宙にはロマンを感じる…
1977年に地球を飛び立った探査機・ボイジャー1号。
現在でも稼働中で人類が今まで作ったもので
一番遠いところにいるのはボイジャー1号です。
同時に未知のものを発見する可能性が一番高く、
真の意味での探査機です。
今回はそんな人工物・ボイジャー1号について紹介します。
ボイジャー1号とは
ボイジャー1号は1977年9月5日に打ち上げられ、現在も稼働しています。
地球から最も遠い距離に到達した人口物体で太陽の影響圏から
広大な星間空間へと飛行し続けています。
ボイジャー各機が搭載するコンピュータのメモリは
実は全部で69.63KBしかありません。
この容器はとっても少なく
インターネットにある画像1枚分ほどの容量と同じなのです。
そして、ボイジャーの科学観測データはハードディスクやフラッシュメモリなどではなく
テープレコーダーを使って符号化されています。
データを地球に送信したらその都度、古いデータに上書きしないと
新しい観測データを記録できません。
ボイジャーのコンピュータは1秒間に8万回の命令を実行できます。
一見、かなり高性能に思えますが
私たちが使っているスマートフォンは1秒間に2億回の命令を実行できます。
つまりボイジャー1号は今のスマートフォンより2万5000分の1程度の処理速度しかないのです。
しかし、今から40年以上も前の技術ですのでそれは仕方のないことでしょう。
そんなボイジャーですが
今までに数多くの実績を誇っています。
ボイジャー1号の実績
1979年 木星の撮影成功
1980年 土星の撮影成功
1990年 太陽系外来る紫外線「ライマンα線」を観測成功
2003年 太陽拳の末端部ヘリオシースに到達
2012年 太陽風が星間物質や銀河系の磁場と衝突して
完全に混ざり合う境界面ヘリオポーズに到達。
などなど数え始めたらキリがないほどです。
どうやって動いているのか?
ボイジャーは慣性飛行を行なっているので推進力は不要です。
その初速を得た方法は主にスイングバイと言い、
惑星の重力を利用して軌道を変更する方法です。
この特徴は探査機の進行方向を変えるだけでなく
加速したり減速したりすることができる事にあります。
ボイジャーは地球を出た時は木星まで行ける速度しかありませんでしたが
スイングバイで加速することによってそれ以上の飛行が可能になりました。
現在地は?
現在、ボイジャー1号は
「太陽系はどこまでが太陽系なのか?」を把握するため、調査を続けています。
2004年12月、太陽系外に向かって飛行中、太陽から約140億kmの距離で
太陽風の速度がそれまでの時速112万kmから時速16万kmに一気に落ちました。
さらに、太陽系外のガスが検知されたことから末端衝撃波面を通過して
太陽圏と星間空間の間の衝撃波領域ヘリオシースに入ったことが判明し、
研究者が星間物質の状態を直接観測したデータを初めて得ることができました。
2012年6月NASAによってボイジャー1号が太陽系の境界付近に到達したことが発表され、
2012年8月に太陽圏を脱出し、星間空間の航行に入っていることが
2013年9月12日にNASAより発表されました。
ゴールデンレコードについて
太陽系の外つまり未知の空間、銀河系に突入したボイジャー。
このボイジャーに課せられた使命というのが2つあります。
1つ目は宇宙空間に存在する惑星の無人調査。
2つ目は地球外生命体との接触です。
ボイジャー内にはゴールデンレコードと呼ばれるディスクが用意されています。
このレコードにはオリンピックの写真や日本の尺八の音色、
数学の計算式など地球のありとあらゆる情報が内蔵されていると言います。
すでにカメラ機能は停止されており、
太陽系外の映像を見ることができません。
現在機能しているのは低エネルギー荷電粒子、宇宙線サブシステム、
磁力計、プラズマ波サブシステム、観測データを随時地球に送ってきています。
ボイジャー1号の距離から考えると探査機からの信号が
ジェット推進研究所の管制センターに届くまでには光速で片道18時時間もかかります。
現在から見ると最低でも1日はかかる模様です。
それだけ遠いところから随時データを送り続けているボイジャー1号、
なんだか健気な感じがしてきます。
地球から最も遠いところにある人工物ボイジャー1号。
今後の活躍、特に使命の1つである地球外生命体との接触にも期待したいですね。
ネットでの反応
・今の技術の探査機がボイジャー1号ぐらいまで遠くに行ったらすごい成果が得れそうやな
・あんな遠いとこから情報を地球に送れるってすごいよね
・ワイちょっとボイジャーの様子見に行ってくるわ
・打ち上げ当初は、結構話題になっていたけれど、
今では、すっかり忘れ去られていますね。
思い出させてくれて、ありがとう。