ネパールの生き神「クマリ」という言葉を聞いたことがありますか?

初潮を迎える前の少女が選ばれ、
ヒンズー教の女神「タレージュ(Taleju)」の化身として
その任務を終えるまで親元を離れて暮らすクマリに、
このたび、3歳の女の子が選ばれました。

今回はそんな生き神・クマリを紹介します。


クマリとは

クマリとはネパールに住む生きた女神。
ネパールの首都カトマンズの「クマリの館」で生活する
クマリ(ロイヤル・クマリ)は同国の人々にとって特別な存在です。

国の運命を占う預言者であり、
国家要人でさえもクマリに跪くといいますから、
その存在の偉大さが伺いしれると思います。

一説によると守護神である「女神タレジュ」や
「アルナプルナ」の生まれ変わりされており、
館では一切外部の人の目に触れない環境で生活を続けています。

「生き神」というと一般的な生活からは少しかけ離れた存在のように聞こえます。

しかし、現代でもネパールには初潮を迎えるまでの少女を
「生き神」として選出する文化が残っています。

そして首都カトマンズで新たな「生き神」として
3歳児のトリシュナちゃんが選ばれ、任命の儀式がとり行われました。

引用:https://twitter.com/XHIndonesia/status/914001882930188288

クマリは多くの人々から信仰を集め、絶大な力を持ち、
人々の病気の治療や願いを叶える手助けをする。

インドラ・ジャートラーの祭りでは、
山車に乗りカトマンドゥの町を巡り
人々の繁栄と成功の力を与える重要な役目を果します。

預言者として供物を受け取り、その行動によって預言します。

クマリの選出方法

ネパールの生き神を「クマリ」と呼ぶのだが、
このクマリになるためには条件があります。

1.満月生まれ

2.処女である

3・健康である

4.白い歯で、隙間がないこと

5.20個歯が生えそろっていること

6.傷のないからだ

7.ベンガルボダイジュ(バンヤンツリー)のような身体

8.牛のような睫毛

9.獅子のような胸

10.鹿のような脚

11.ほら貝のような首

12.あひるのような柔らかく透き通り、響き渡る声

13.黒い髪

14.漆黒の瞳

15.モナリザのような笑顔

16.長く細い腕

17.やわらかい手足

18.ブラックナイトと呼ばれる儀式で108頭のヤギや
バッファローが捧げられ、マスクをした男性が躍る中恐れを見せないこと

19.ヤギやバッファローの頭が並んだ暗い部屋で一晩一人で恐れを見せず過ごせるか

20.最終テストとして前クマリの所有物を目の前に並べられた複数物から選べるか

21.ヒンズー教徒であること

上記は条件の一部だが、その条件を満たしているかどうか、
ヒンドゥー教の司祭と仏教の高僧5人が判定し、クマリは選ばれます。

生き神クマリの生き様

クマリに選ばれた以上は特別に任命された
使用人の世話を受けながら宮殿に住むこととなる。

そして、特別な日以外の外出は許されない。

なんと、クマリが外出できるのは年にたった13回のみ。
また、地に足を付けてはいけないという決まりもあるために、
移動の際は担いで運ばれる。

まだ親に甘えたいであろう3歳児にも関わらず、
家族に会うことも容易ではなくなる。

ただ、クマリ退任後も毎月お金が振り込まれるそうで、
両親としては安心するような寂しいようなで複雑な心境のようです。

また、観光客などは拝観料を支払えば、
トリシュナちゃんが窓から顔を出す姿が数秒間拝めるらしい。

トリシュナちゃんの父親は

「複雑な気分だ。娘がクマリになったのは良いことだが、
私たちの元から離れてしまう寂しさもある」

と語っている。

初潮を迎えるタイミングや乳歯の生え変わるタイミングなどで
クマリ解任・退任されるようです。

クマリとしての神聖さを保つことが重要視されているようですが、
中には初潮がずっと来ないで、50年もクマリを務めた女性もいるようです。

クマリの人権への懸念はありますが、裁判になったこともあり、
それにより勉強や行動、食事などの自由は
認められるべきだとの判決がでているので3歳の子供が
クマリに選ばれてもずっと親と会えないわけではないようですね。

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