雷が落ちた時に作られる石…
世界にほとんど存在しない希少な石が話題に…
毎日世界中で数百万回の落雷が発生しています。
私たち人間からすると恐怖の自然現象ですが、
雷が落ちた時に形成される石をご存知ですか?
その石が形成される確率は奇跡的な数字だと言われています。
今回はそんな雷が落ちた時に作られる石を紹介します。
雷が落ちた時に作られる石
一閃の稲妻は5ギガジュールのエネルギーを有していると言われています。
これはアメリカの平均的な家庭で使用される1ヶ月分以上の電力に相当します。
これほど強力な雷が砂浜や砂丘のような場所に落ちるとどうなるのか?
砂の粒があっという間に溶けてくっついてしまうのです。
砂の融点は約1,800℃は必要と言われているが、
落雷による温度は30,000℃に達します。
これは太陽の表面の5倍の温度です。
この時、条件さえ整っていれば、
溶けた砂が閃電岩(せんでんがん:フルグライト)という
天然のガラス管を形成します。
その名はラテン語で稲妻を意味する”フルグル”に由来します。
地球上では毎日100万回以上も落雷が起きているが、
閃電岩は滅多に形成されない。まさに奇跡の石なのです。
閃電岩は通常、砂の地下で発見されます。
大抵は根元へ向かって直径が細くなっており、
枝分かれしていることもあります。
その形状は雷が地面で拡散した際の経路をなぞったものです。
それゆえに「雷の化石」と呼ばれることもある。
枝分かれしていることから植物の根にも似ており、
表面は半分融解した砂の粒子でざらついています。
だが、その内部は砂が急激に冷却され凝固したことにより、
大抵は滑らかなガラス質です。
大きさや長さは落雷の長さや砂床の厚さ応じて変わります。
平均的には直径2~5cm、長さ76cm以下であるが、
5m近いものが発見されたこともあります。
また地面の中に貫通している閃電岩もあり、
地下15mの場所まで刺さっていたものも発見されています。
閃電岩は岩石への落雷で形成されることもあり、
この場合、表面を覆うガラスの殻のようなものや
岩石の亀裂に沿って血管のようなものができます。
世界にほとんど存在しない希少な石が話題に
閃電岩については1711年には記述があり、
それ以来山頂からサハラ砂漠まで世界中で発見されています。
宝石ではないが非常に稀で学術的な価値を認められています。
例えば、これが発見される場所の分布を調査することで
特定期間の雷雨活動の頻度が推測でき、
過去の気候について理解を深めることができます。
サハラ地域で発見された2億5,000万年前の閃電岩からは
この地域がかつては雷雨が頻繁に起きていた
肥沃な土地であったことが確認されました。
サハラ砂漠ブジュール地方で発見された表面が砂に覆われ、
内部が中空の16cmほどの閃電岩。
アルジェリアで発見された閃電岩。
米カリフォルニア州サンディエゴ郡展示会で展示。
モーリタニア砂漠の閃電岩。
エジプト南西のリビア砂漠で発見された閃電岩。
ネットでよく閃電岩として
紹介されている画像であるが実はこれフェイクです。
これはサンドキャッスル・マット氏による
流木と砂を使った彫刻作品です。
こちらも偽物。
閃電岩が形成されるのは砂の中であり、
砂が侵食された場合にしか表面に出ることはありません。
これほどのサイズのものは極めて貴重であり、
本物であれば博物館が収蔵したか、
あるいは海水浴客によって破壊されてしまっているだろう。
尚、閃電岩は人工的に作り出すことが可能です。
お土産屋などで廉価で売られているものは人工のモノの可能性が高いです。